自由に使えない有給休暇
制度があっても取得できない
今の時代、有給休暇制度はあって当然のもので、どんな求人を見ても必ず記載されている最低条件のようなものです。しかし、実際に与えられるだけの有給休暇を満足に取れている人がどれほどいるかは未知数です。システムエンジニアの仕事は常に休む暇もない状態におかれていることも多いので、なぜ辞めたいと思うかと聞かれれば、有給休暇をまともに取ることができないことがその理由のひとつだという人も多いのではないでしょうか。
本来あるべき姿が失われている
有給休暇というものは、自分の都合で休暇を取りたい時に取れるべきものであって、会社の都合によって取らされるような休暇ではないはずです。しかし、実際には、会社のスケジュール上の都合で有給休暇を取るタイミングを指示されたり、病気で休んだ時に自動的に有給休暇が消化されたりと不本意な方法で使われてしまい、自分の使いたいタイミングで休みを取るということ自体ができない場合が少なくありません。本来であれば、疲れた時のリフレッシュ休暇として旅行に出かけたり、趣味の時間にしたりと自分の好きなことに使える休暇として使っていいはずの制度なのにもかかわらず、まったくその部分が機能していないとなると何ための有給休暇かわからなくなってしまいます。
企業にとっては面倒な制度
企業側から見てみると、会社の状況に関係なく自由に有給休暇を取ってしまうと、人手がないのに給与だけが発生し、現場の仕事が全然回らなくなってしまうという現実を抱えることになってしまいます。その状況を理解しているからこそ有給休暇を取れなくなってしまうのです。本来であれば、みんなが自由に取りやすい労働環境に改善していくための企業努力をするべきところですが、システムエンジニアが働く現場でそのような夢のような環境を実現できているところは少ないかもしれません。
休みの日をコントロールされる苦痛
休日や深夜の出勤は当たり前のシステムエンジニアは、上司に突然代休を言い渡されて、ほとんど強制的に休まされるということがあるかもしれません。休めるだけまだましという考え方が根底にはあるのかもしれませんが、本来休める日に組んだ予定をキャンセルしてでも仕事に向かい、何の予定を立てる時間もないまま休暇をいきなり与えられるのでは、あまりにも会社本位過ぎると考えるようになるのも無理はありません。
せめて有給休暇が自由に使えればまだいいかもしれませんが、会社の都合となると自分の自由がほとんどないのも同然です。有給休暇が取れないのであれば、せめて買い取ってもらってお金に換えることができればいいのですがそういうわけにもいかず、結局いつも泣き寝入りというのであれば、仕事を辞めたいと思うようになるのは当然かもしれません。